Yahoo!アプリ大人も読みたい絵本アワード
2011/11/15 更新

「大人も読みたい絵本アワード」いよいよ結果発表!
237作品のご応募ありがとうございました。
「大人も読みたい絵本アワード」では、最優秀賞およびその他の賞の選定にあたり、審査員を招待して審査会を行いました。

「大人も読みたい絵本アワード」とは?
「大人も読みたい絵本アワード」は、こんな経緯ではじまりました。
詳しくはこちらのページをご確認ください。


実際に作品を読みながらの審査となります。

ヤフー(株)執行役員の藤根氏からは、コンセプトである「大人も読みたい」を意識した総合的なコメントをいただきました。

高田氏には、ヤフー(株)電子書籍プロジェクト プロデューサーとしての立場から、様々な角度で評価をいただきました。


Yahoo!アプリ プロデューサーの岡田氏は、「大人がグッとくる」「子どもにも読ませたい」という視点でコメントをいただきました。

初の「大人向け作品」の募集とあり、弊社永田も今までのコンテストとは違った観点での審査を行いました。

白熱する審査の中、ユーモアあふれる作品に笑顔がこぼれる、和やかな場面も。


さて!審査員それぞれの推薦作品が挙げられていくなかで、「Yahoo!アプリ大人も読みたい絵本アワード」の最優秀賞に選ばれたのは、果たしてどの作品だったのでしょうか!いただいた講評とともに、受賞作品をご覧ください。それでは、発表です!!

最優秀賞

ここはいたみの ない世界 ‐ 作・やん

受賞者コメント

まずは、このお話を読んでいただいて本当にありがとうございました。
今年は特に、たくさんのいたみや不安を、みんなが抱えて生きてきたんじゃないかなぁと感じます。
生きていくというのは、気持ちのいいことばかりではないですし、いたくていたくて前の見えない日もたくさんあります。
だけど、誰かが「いたい」とつぶやいた時、そっと手をさしのべることができるのも、同じようにいたみを感じたことがあったり、同じようにいたみをかんじられる気持ちを、みんなが持っているからだと思います。
このお話を読んでくださった方が、ほんの少しでもいいので、いたみのある毎日もいいかな、と思ってくださると嬉しいです。
本当にありがとうございました。


藤根淳一(ヤフー株式会社 執行役員)

絵のインパクトがとても強い作品。
きつい描写が多かったので考えましたが、なんらかの賞はあげたい、絶対ひっかかる作品だと思いました。
大人向けだけあって、子供に読ませることは難しいかもしれないが、描かれている内容としては、子供にもわかってほしいこと。その両義性がいいですね。
キャラクターの造詣など、首を傾げる部分もあるものの、それもひっかかりとなって、面白さになっているのかなと思います。


髙田正行(ヤフー株式会社 電子書籍プロジェクト プロデューサー)

なんだろう?と思わせる表紙からはじまり、今までの絵本のイメージを変える作品。
WEBならではの感性が光っています。
こういうものが並んでいたら、他の本ももっと発掘したいという気になるのではないかなと思いました。


岡田朋子(ヤフー株式会社 Yahoo!アプリ プロデューサー)

総合力、の一言。言葉と絵のバランスが秀逸です。
少々長い作品ながら、テンポがよく、最後までストレスなく、モチベーションを持って読むことができました。
描かれているのは、実は結構リアルで、真っ直ぐ向き合うと痛々しい内容。 イラストのヘタウマさが、場面の際どさをうまくカバーして読ませる作品になっています。


永田万里子(株式会社アイフリーク 取締役会長)

今まで子供向けの絵本を募集していたあいだは見ることのできなかった内容です。
キャラクターそのものは新鮮さに欠けるものの、独特のシュールさが魅力的かつ大人向けだと感じました。
漫画と絵本の中間のような新しいタッチで、メッセージはシンプル。若者の共感を得る構成になっていると思います。
総合力としての娯楽性、エンターテイメント性を感じました。


中尾友則(株式会社アイフリーク PictBox事務局)

もし心に「いたみ」がなかったら、なんて考えたこともなかったのですが、この「ここはいたみの ない世界」は、そんな世界を描いた作品です。
たとえば恋人にひどいふられかたをしたり、あるいは他人に意地悪をしたり。そんなとき、心のどこかが、ちくちくいたみます。
そういう「いたみ」を知っているから、人にやさしくできるのだと思うのです。そして、この作品を読んで、「いたみ」を知った上で他人を思いやる気持ちこそ、まさに愛なのだなと思いました。大人だからこそわかる、最優秀賞にふさわしい作品です。



Yahoo!アプリ賞

遠いひつじの国 ‐ 作・ものあみん

髙田正行(ヤフー株式会社 電子書籍プロジェクト プロデューサー)

絵が主役になっている、正統派の作品。
1ページ、1ページが、じっくり眺めるのに耐えうる画力がある。
はっとする急展開があるわけではないけれど、アラフォーが家に帰って眺めるのに、こういう絵本があると嬉しいように思います。


永田万里子(株式会社アイフリーク 取締役会長)

絵で魅せたかったという気持ちが伝わってくる作品ですね。
「遠いひつじの国」へ行くというのは、大人になるということ、未来のことなのかな、と思いました。人によっていろいろ解釈しうる深さがあります。


岡田朋子(ヤフー株式会社 Yahoo!アプリ プロデューサー)

自分が親として子供に読ませられる本だなと思いました。
丁寧に描かれていて安らげる。「絵本」と言われてイメージするのはこういう作品ではないでしょうか。
日本の四季を感じさせる部分もあって、そういったところもよいなと感じました。



こえほん賞

カラフル ‐ 作・aco.

永田万里子(株式会社アイフリーク 取締役会長)

同じようなテーマの作品があった中で、ページ毎の「色」が良いですね。
色の多様性だけでなく、そこに人生模様の多様性を投影しているところに表現力を感じます。
短い作品ですが、キャラクターだけでなく、きちんと人間模様、コミュニケーションといったものまでを落とし込んでいるところに、構成力が光っていました。


髙田正行(ヤフー株式会社 電子書籍プロジェクト プロデューサー)

ありがちな展開ではあるのですが、うまくまとめています。
特別目立つ画風ではないのですが、丁寧で既視感はない。一歩進んだ魅力がありました。
動物の喩え方にしても、イメージに頼らず、よく見ると絵に細かな比喩や描きこみがある。作者の個性が垣間見えるように思います。


藤根淳一(ヤフー株式会社:執行役員)

すでに書店に並んでいてもおかしくないような画風と内容。
表紙も色に引きがあってあってよいですね。温かみがあって開きたくなる。純粋に好きな作品です。



優秀賞

Yahoo! JAPAN審査員賞:SHADOW PLAY ‐ 作・レオナ

髙田正行(ヤフー株式会社 電子書籍プロジェクト プロデューサー)

全体を見たときに際立って見えた作品。絵に強い個性があり、日本の作家が描く絵柄とはちょっと違うぞ、という印象を受けました。
他の選考作品にも言えることですが、一般の方がweb上で絵本を読もうとしたとき、表紙の力は重大です。その意味で良い作品。
その先の世界観にも独特のものがあり、何度も読むことで理解が増える仕掛けがよかった。


永田万里子(株式会社アイフリーク 取締役会長)

本当はもっといろんなことをやりたかったのかな、というのが画面から伝わってきました。もう一歩先が見てみたかった。
少し難解な構成で、本を読み慣れていない人には、解くのが難しい。
この内容を伝えるのには、絵もストーリーも、もっとシンプルでも良かったのかもしれません。



永田万里子審査員賞:凹さんと凸さん ‐ 作・kurose1022

永田万里子(株式会社アイフリーク 取締役会長)

とてもシンプルなのだけれど、話筋が上手い。画面の構成も面白いです。
今回の応募作は、「絵本」に縛られてか、無理に子供の視線や懐かしさを取り込んでいるものが多くて、大人の「今」を描いている、本当の意味で大人向けの作品は少なかった。
その中で、大人視点の現実を描いていて、かつ秀逸だった作品です。



入選

たいようがすきなゆきだるま

作・スギモトダイキ

講評
世界観と絵が素晴らしいです。ストーリーは先が読めてしまう展開ですが、その上で読ませるだけの画力があります。(髙田正行・ヤフー株式会社 電子書籍プロジェクト プロデューサー)

うつくしい灰色

作・emimino

講評
少し影を持った作品で、目を引かれました。こういう、「陰」の安らぎを持った作品も、大人には必要とされるのかもしれません。
モノクロの中での色の展開の仕方、使い方が上手く、構成力を感じました。(髙田正行・ヤフー株式会社 電子書籍プロジェクト プロデューサー)

恋のクリームパン

作・toto

講評
個人的にはイチオシの作品です。流れを重視した勢いのあるページ割りと、コミックのような擬音や画面構成。そして、大人であるからこそ純粋に楽しむことができる、夢のある世界を描ききっているように感じられました。(中尾友則・PictBox事務局)


ぼくにできること

作・グレ

講評
直球なテーマですね。途中まで読んだら、なんとなくオチがわかってしまうのだけれど、キャラクターに他とちょっと違った味があって、そこが目立っていたと思います。(藤根淳一・ヤフー株式会社 執行役員)

LIFE

作・Naffy

講評
高い画力があり、日本だけにとどまらず世界にも受け入れられる作品。作品軸がぶれない分、意外性に欠けた点が惜しい。(永田万里子・株式会社アイフリーク 取締役会長)






総評

「大人も読みたい絵本アワード」にご参加いただいたみなさま、本当にありがとうございました。

今回の募集テーマは、「対象年齢15歳以上の絵本」。子どもが読むだけでなく、大人が読みたいと思う絵本があってもよいのではないかと思い、今回の募集を行わせていただきました。選考にあたり、もっとも重視したのは、ストーリーです。つまり、大人が読んで、感動したり、はっとしたり、癒されたり、びっくりしたり、泣かされるかどうか、です。

最優秀賞に選ばせていただいた、やんさんの「ここはいたみの ない世界」は、ユニークな絵でありつつも、「いたみ」を描いたストーリーはシンプルなメッセージがまさに心に突き刺さるものでした。そしてその「いたみ」があるからこそ分かり合えるいたわりや愛は、たくさんのことを経験してきた大人だからこそわかるもの、という点が選定理由となりました。

なお、今回のコンテストは、絵本サイトPictBoxの絵本コンテスト過去最高の237作品もの応募をいただいています。たくさんの素敵な作品が集まりましたので、それに対する審査員の方々の選評も、できるだけたくさん掲載させていただきました。

また、「こえほん賞」は1作品のみですが、他にもぜひ採用させていただきたい作品がありましたので、その際には個別にご連絡させていただきます。

今後とも「PictBox」をよろしくお願いいたします。(中尾友則・PictBox事務局)


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